IE9ピン留め

ゴーカイジャーVSギャバン!よろしく勇気!

海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン観てきました。

※映画内容のネタバレあり!※

東映.jpの配信で見ていて、シーンの間をひたすらナレーションでつないでいきすぎるとかEDの曲と映像が合ってなさすぎるとかハンターキラー何だったんだとか最初はツッコんでいたのですが3話か4話程見た時点でもうそう言うところも全然許せていたと言うか、ギャバンと言う作品の凄さはそれはもう問答無用な勢いなわけです。「おれがギャバンだ!」と言い放ったと言う伝説のあるほどのデザイナー村上天皇の思いが熱い、野口竜さん(故人…)のマットペイントが熱い、宙明サウンドが熱い、大葉健二さんがさわやかで熱い!ベテラン上原正三脚本もバリエーションに富み26話人形は見た!! 毒ガス殺人部隊の正体」や28話「暗黒の宇宙の海 さまよえる魔女モニカ」は素直に傑作エピソードです。

で、「ゴーカイジャーVSギャバン」ですが、映像は残念というかやはりというかあまりお金がかかっていない感じで(同日に「ALWAYS三丁目の夕日64」を観ていたので余計に)例年のVSシリーズぐらいの物ではありました。ゴーカイジャーの映画はまず「199ヒーロー大決戦」と言う総棚ざらえの企画があったのでそれとも比較してしまうのは致し方無し。…と冒頭のゴーカイガレオンVSドルギランでは少し期待値を下げはしたのですがその後のゴーカイジャーVSギャバンでのアクションは文句無し!
70分弱の尺で、どうしてもストーリーもかいつまんだ物になりファン向けの小ネタやパロディをのぞけばほとんどがアクションばかりの構成ですが57歳の大葉さんの生身アクションもかなり多く蒸着後のアクター・浅井宏輔(TVブロスでのインタビューによると大葉さんのプレッシャーに冷や汗だったとか)さんの動きもキレまくり!ゴーカイレッドVSギャバンブートレグのアクションは平均台バトルや跳弾を活かした逆転などアイデアが面白く、ギャバンVSギャバンブートレグの対決、レーザーブレードVSレーザーブレードは素晴らしい爽快感とスピード感!観る前はお決まりの偽者悪役か、光るラインもちょっと555の焼き直しっぽくてなんだかなあと然程注目していなかったギャバンブートレグですが、徹底した戦闘マシーンぶりとがビジュアルと引き立てあって思いがけぬカッコよさ。魂の無いブートレグと魂の熱いギャバンで好対照になっていました。決着時の台詞は笑ってしまうぐらいひねりが無いんですが大葉さんの吹き替えで何だか圧倒的な説得力。
逆光、スモーク、逆再生の当時風映像にニヤニヤ、全編に渡って響き渡る宙明サウンドもニヤニヤがとまりません。サイキック斬・・・違った紅蓮の戦闘領域・・・違ったレーザーブレードのテーマ(※ニコニコ)が流れているとどの辺でギャバンダイナミックで決着するか分かってしまうんですがだがそれがいい。

ドルギランのウネウネ感、と言うか迫力が昔のミニチュアより弱かったとかサイバリアンやギャビオンもちょっと出てほしかったなとか魔空空間への突入がレンジャーキー便利すぎるとかEDのパロディは脚本の荒川さんと関智一は嬉しそうだけど結構な人が置いてかれちゃっただろ!と苦笑いな部分も多かったですが大満足な映画でした。大葉さんとマーベラス役小澤さんのハグシーンが結構多くしかもストーリー上、だいぶ情感があるのであのさあ…と照れくさくなってしまう観客が微レ存…?


そしてこの映画で初お目見えした特命戦隊ゴーバスターズ!…ちょっとまだスーツのデザインになじめないのですがVSバスコのアクションからは新しい事をやろううとしている気概は伝わってきました。パンフレットを見ながらゴーカイもゴーバスもキャストはやっぱもう全員平成生まれで20前後なんだよなあフレッシュだなーとちょっと複雑な思いを抱いていたらブルーバスター・岩崎リュウジ役馬場良馬さんは84年生まれで、演じる役・実年齢共にだいぶ近い世代!相棒はゴリラだしこりゃ応援するっきゃない!とゴーバスターズへの期待は膨らんだのでした。
今日から東映.jpでジェットマンと555の配信も始まると言う事で嬉しいです!
# by tsun153 | 2012-01-23 00:18 | 特撮 | Trackback | Comments(0)

アギト・響鬼の井上脚本を褒めるだけの記事

来年の戦隊、ゴーバスターズの巨大ロボはゴーバスターオーと言うそうですが何だか語呂が悪い気がします。小型ロボバスターエースを中心に3つのメカが1つになって出現するらしいので…無敵超人ゴーバスター3とかどうでしょうか?

東映.jp配信の仮面ライダー響鬼が先週、仮面ライダーアギトが今週最終話を配信し、あらためて思うところが多かったのでちょっと書いておきたいと思いました。タイトルのとおり、ひたすら敏樹すごいな、感心したなと言うだけの記事なのでステマでもパプテマス様とでもなんとでも言ってください。

アギトに関しては良くまあこれだけ丁寧に3人の主役の心情をなぞりながらきっちり節目にテンションの盛り上がりどころを持ってくるなあと舌を巻かされました。18・19話や28話と言った鉄板の名作エピソードもやはり良かったのですが、見直していてうなってしまったのが42話。アギトの謎の全貌が1話使って語られる42話は、登場するあかつき号の乗客達全員にきっちりドラマがあった事を思ってただ見てるだけで感動しっぱなし。4クール目に突入した段階で、ここまで構想どおりきっちり積み上がってるなんて!単発のエピソードで評価される事の多い井上脚本ですが、キャラクターとストーリーの起伏をきちんと番組の進行と絡ませる事の出来る稀有な手腕を思うと、やはり全体の構成の段階から関わった新作がまた見たいなあと思います。

響鬼に関しても、明日夢の対照となるキャラクターとしての桐矢の投入と成長は当時も番組全体にとって有効な一手と思っていましたが、あらためて見直すと周りのキャラクターのドラマも、明日夢が「生き方としての鬼の道を知る」ために巧みに展開されていた事に気がつきました。道を踏み外した者として斬鬼の師匠の朱鬼が登場する、その影響であきらが鬼の道からドロップアウトする、一方で轟鬼が師匠からのひとりだちを果たす…明日夢が精神的な巣立ちを迎えるまで、これらいくつもの要素(中には敵のスーパー童子・姫の自我の芽生えまで!)が並行して進行し2話で1エピソードのドラマとしての体裁を保っているのはやはりすごい!物理的に井上敏樹流の積み重ね方でドラマを作れた話数が少なかったために感情面での盛り上がりより技巧的な物が少々目立ってしまうのはやはり否めませんでしたが…

また、東映.jpで70年代のV3やイナズマン、80年代のギャバンや、ジバンと言った特撮と併せながらアギトを見ているとアギトはそれまでの東映特撮ヒーローの総覧としても見ることが出来るのではないかと思いいたりました。
周りの人間に極力正体を明かさず、ごく親しい人達の中での「頼れるお兄さん」としてのヒーローであるアギト・翔一の立ち位置は70年代のヒーローそのままであり、上司が存在し周りの支援者達のバックアップを受けて戦うG3・誠の立ち位置は80年代中期から90年代のヒーローのそれと思えます。ではギルス・涼はどうかと言うと単独で動き回って事件の真相を探り、毎回決まったタイミングで敵が現れ決まった流れで迎え撃つと言うフォーマットにははまらない彼のポジションは石ノ森漫画版のヒーローに近いのではないでしょうか。(やや強引なこじつけではありますが^^;)そう言う重層的な魅力は、井上敏樹一人ではなく白倉Pやスタッフ全員の力で作り上げられた物でもあります。

東映Jpがジェットマンやシャンゼも配信してくれないかなーと思いながらタイムレンジャーやカブトを見直している日々です。しかし何故かちゅうかなぱいぱい・いぱねまの次がポワトリンじゃなかったんだろう…見たかったのに、残念!
# by tsun153 | 2012-01-20 21:08 | 特撮 | Trackback | Comments(3)

森・アーティどこいった?

1.5流のテンポギャグアニメが2流キャラ萌えアニメになってやしないかなあとミルキィホームズの2期に期待しすぎるのが怖くて半裸待機だったのですが狙いすました爆発オチにまあ1話ならこれぐらいでとあらためて全裸になり直しました。

後あけましておめでとうございます。イエーイ!
# by tsun153 | 2012-01-08 03:32 | アニメ | Trackback | Comments(0)

小池・小島コンビの大傑作!「忘八武士道」

 西尾維新×DIOと銘打たれた「OVER HEAVEN」が、日本の若者ならもう飽きたよと言わんばかりの、ジョジョファンなら周知の事実を、日記小説と言う形式である事を差し引いてもすかすかの文章で列記しているだけだったのでウダラ何1400円出させてんがァー!?と思ったんですがそんな愚痴とかクリスマスが何だってんだこちとら明石家サンタだけが楽しみのメリークルシミマスだバカヤローオゲゲーとかそんな内容で更新しても仕方ないので、最近手に入れる事の出来た小池せンせと小島剛夕の「子連れ狼」コンビによる「忘八武士道」について書きます。

 あらためて検索してみても、73年の映画版「ポルノ時代劇 忘八武士道」しかひっかかってこないのですが、どういう作品か前述の「小池一夫伝説」から引くと、報知新聞に約3ヵ月半、毎日2ページずつ発表された「新聞連載劇画」。発表時期としては71年~73年で「子連れ狼」と並行して描かれていたようです。それだけにコマ割は細かめ、小島剛夕先生の描線も後年の熟練こそありませンが迫力は十分です。

 内容はというと、流浪の人斬り・明日死能(あしたしのう …「まんが道」もびっくりのすごいネーミング)が遊郭吉原の雇われ者になり、吉原にとって不都合な相手をひたすら斬りまくり、やがて用済みになると飼い主だったはずの吉原から狙われ、その刺客達をまたひたすら斬っていくと言うもの。小池せンせのアナーキーで破滅的(そして強さと頭脳は超人的)な主人公達に属する明日死能の彷徨を魅力の縦糸として、また魅力の横糸として見るべきは吉原の内部描写。
タイトル「忘八武士道」の「忘八」とは、「孝・悌・忠・信・礼・儀・廉・恥」を忘れた、吉原で働く男達の事。…「弐十手物語」や他の小池一夫時代劇でも目にする言葉で、「玉」と呼ばれる遊女達をおどしすかし、時に拷問「ぶりぶり」で女達を責め抜く男達。人として重んじるべき八つの道を忘れた人でなしが、この「忘八武士道」では侍の身を疎んじてやめようとする明日死能に関わっていきます。この忘八者という役職自体はオリジナルらしいのですが、十分史実を踏まえた上での存在であり、また吉原内での符丁をいろは48文字分、48コマ使って説明したり後半ではおなじみの阿芙蓉が出てきたりと描写の資料性は後年の小池作品でも中々お目にかかれないものがあります。

 そして物語の後半。幕府公認である吉原に対して台頭してきた茶屋町の私娼組織、地元の侠客達を擁してはびこる茶屋町や、吉原から冥加金を受け取っておきながら吉原の勢力の過剰な増大を恐れて茶屋町の動きを黙認する幕府の思惑が交錯し、しかし両者に対して大胆な手を次々と打っていく吉原の名主大門四郎兵衛。説得力ある組織抗争の描写(いやクライングフリーマンみたいなエキセントリックな抗争もいいんですが)もひきつけられます。

 ただ、最後の最後で半生が語られる明日死能と言うキャラクターの、彼の心情に上の吉原周辺の描写が然程は絡んでこないのがこの作品で多少しっくり来ないところではあります。序盤では人斬りの自分に新しい身の振り方があるのではないかと模索している節のある死能に、忘八者達が逆説的に人間性を取り戻させようとしているようにも見られるのですが、後半はとにかく大門四郎兵衛の道具として敵する者を斬り捨てているだけになったのは、小池せンせの当初からの狙いではなかったのではないかと思えます。が、人間的な変化を全く斬り捨てたように見える死能の最後、30Pに及ぶ大殺戮とその果ての斬り死には問答無用の迫力。

 阪東妻三郎と市川雷蔵の「雄呂血」を越える物を目指したと言うこの「忘八武士道」。現在、「子連れ狼」がまた愛蔵版として出ていますがそのついでにでも復刊し、多くの人に触れてほしいと思います。
# by tsun153 | 2011-12-25 01:25 | マンガ | Trackback | Comments(2)

全画太郎ファンが焼いた!「虐殺!ハートフルカンパニー」10年越しの刊行

クリスマスは毎年「ハデー・ヘンドリックス物語」を読んで過ごすくそもっこり方達へ今回の記事をささげます。

虐殺!!! ハートフルカンパニー

漫☆画太郎 / 太田出版


 商品紹介にもあるように、コミックバウンドなる雑誌で掲載はされながら雑誌がポ完して長年封印されていた作品です。ひどすぎます。何で原稿を焼いてしまわなかったんだろう。原作はチャンピオンの「樹海少年ZOO1」でも漫$画太郎と組んだ電気グルーヴのピエール瀧。だからか、「ZOO1」でのキャラクター(オカマやウスラやオタク)が登場します。こっちの方が発表が早いのでZOO1に使いまわされたと言うことですが。てか近作の集英社での「珍遊記2」にも使いまわしたし。エニックスと秋田書店と集英社で平気で同じキャラとギャグと言うか原稿を使いまわし。

 この「ハートフルカンパニー」も例によって例のごとくと言うかコピー連発です。ページをめくってるのに同じページが出てくる。バッドトリップ体験。単行本化にあたり100ページ描き足しと言いますがコピーと切り貼りです、実質。ああ、でも最近「罪と罰」とかでも使ってる無駄に見開きを使ってタイトルと作者名を並べるだけのページ稼ぎもやってます。何でインクを使っちゃったんだろう。真っ白なまま出版してくれたら鼻紙とかメモ帳として使えたのに。

 内容を語ろうと思ったんですが指のさかむけが痛くなってきてキーボード打つのがしんどいんでやめます。とにかくひどいんで、誰も買って読む事が無いよう書店で10冊買って全部燃やしましょう。未だ単行本に収録された事の無い、同じく電気グルーヴとコラボした「聖☆おじさん」も早く出ないかなあ。今なら聖☆お兄さん人気に乗っかれんのに。8pぐらいしか無かったから無理か。
# by tsun153 | 2011-12-19 01:00 | マンガ | Trackback | Comments(0)

超人か、超人間か!?「小池一夫伝説」

 コンビニ等に入る時、普通に買い物に来た客は商品を見に行くけれど、万引きに来た人間はまずレジを見ると言うじゃないですか。以前バラエティ番組か何かでそう覚えていたので、深夜4時半に近所のローソンに快楽天を買いに行った時もレジを見ずに雑誌コーナーに直接行ったわけです。で、商品を手にレジに向かうとまさかの若い女性店員。いつも深夜のシフトはおっさンばかりだったのに…完全にうかつでした。そして一緒に買っているのがニンニクたっぷりと表記されたペペロンチーノスパゲティ。買った後逃げるように出ましたよ。しかも表紙のハナハルは漫画は次号掲載って詐欺ぐあいッ!チクショウッ!今のイチオシは馬鈴薯先生。南北先生も早く単行本出ないかなー

 「ガッツポン」vol.2と

小池一夫伝説 (映画秘宝COLLECTION)

大西 祥平 / 洋泉社

を買ってきました。

 おン年73歳になられる小池先生の作品は、はっきり言って多すぎます。自分もそれなりにぐわンばって本棚2つ半程(1200冊ぐらい)集めてはきましたがまだ全体の4割程度しか読めていないンじゃあないかと言うのが実感です。デビュー以来驚異的な数の作品と、斯界に多大なる影響を与えてきた小池せンせいのまさに「伝説」の道程が、詳述された「小池一夫伝説」。

 内容はと言うと、小池先生が30代に入ってからさいとうプロに入籍し34で遅咲きのデビューを果たした経緯、「子連れ狼」から続く時代劇画の足跡、「ダミー・オスカー」「傷負い人」をはじめとしたスーパーキャラクター達からさまざまなヒット作・挑戦作への派生と分析、「新・子連れ狼」「花縄」「レイザー」等の2000年代の小池一夫作品の紹介と言った内容。今でも、スタジオ・シップ作品は月に3・4タイトル程はコンビニに置かれるペーパーバックとして再販され小池作品が目に触れる機会は多いのですが、どの作品がどういう順で「どういう時代に」送り出されたか非常に分かりやすくまとめられているのがこの本の最大のポイントと言えると思います。

 梶原一騎もそうですが、小池せンせもまたその風貌、経歴からして偉魁。180cmを越える巨躯と中央大を卒業して農水省に入り、しかし10ヶ月で辞めて在学中から入り浸っていた新宿の夜の世界に舞い戻り、「雀ぶらあ」として雀荘を任される程になりながら、時代小説家・山手樹一郎に師事した文士の才を生かして、少年マガジン掲載のさいとうプロの原作者募集に応募し、声をかけれられるやすっぱり足を洗って転身…と言うデビューまでの来歴が既に並ではありませン。「下駄を履くまで」(作画・叶精作せンせい)で渡胸俊介そっくりの、小池せンせ自身をモデルにした通称「池ちゃン」の多少クサい行動や台詞には「嘘でえwww」と眉ツバだった自分ですがどうやらかなりの割合でノンフィクションだったようです!?
 
 また、「子連れ狼」などの有名作品の影で、実は1970年前後に「超人ハルク」の日本版の脚本に携わっていたこと(そして硫黄島と思しき島で米軍と自衛隊を相手に戦いその果てに…と言うところで雑誌休刊になった小池版ハルクの潮流が、実はダミー・オスカーに与えていた影響)や、「クライング・フリーマン」終盤にまつわる意外な裏事情、狂気の作品「ザ・テロル」の結末に見る意外なキャラクターの影と言った内輪・裏事情の数々は、自分のようなリアルタイムを知らない後追いの読者は驚かされることばかり。「赤い鳩-アピル-」が歴史ミステリーとしてその後の展開も考えられていながら各方面からの抗議によって打ち切られた、実は馬庭実行とオードル・ヘボンにはさらに突き詰めさせたかったと言う内容には、それが見たかったッ!!と思わず叫ンでしまいました。

 「I・餓男」や「性病部隊」などのアメリカに対するオピニオンや、上村一夫・小島剛夕・池上遼一・叶精作先生ら、特に小池せンせと送り出した名作郡が印象深い作画家達との交流、小池一夫が挑んだ暴力・官能描写の展開とその時代的意義、「弐十手」「上がってなンボ」の25年に渡った長寿連載についてと言った各考察も非常に興味深く読める物。
何と平田弘史左右衛門と組んで発表されたと言う「凍れの政」は何としても読んでみたい…

 著者・大西祥平があとがきで
「この本では小説作品についての言及も、技術論も、プライベートへと必要以上の言及も、『スペクトルマン』『電人ザボーガー』など特撮方面でのクレジットについても、『劇画村塾』についても、たっぷり語ってみたかった『片恋さぶろう』などの作品についても、大胆に省かせてもらいました(中略)量が膨大なゆえにどこかを削らないと書籍の成立すら危ないという状況でした」
と書いていますが、それらをのぞいても70年代以降の劇画成立の過程について(小池作品以外についても)かなりの事をうかがい知る事が出来る、小池ファン必携の一冊と言えます。是非、上の「省かれた部分」についてもあらためて言及し「続・小池一夫伝説」を著者には書いていただきたいッ。同著者の「ジョージ秋山捨てがたき選集」にもお世話になっております!
初音ミクの表紙で話題を呼んだ小池一夫の「キャラクター新論」についてはまたいずれ。

 「ガッツポンvol.2」では「刺客の子」、「弐十手」の新作に次いで小池×叶コンビの「異聞花と蛇」が開始。鬼才・団鬼六の遺した物について、小池せンせと叶せンせ本人達が登場し語っていくと言う内容。何か小池せンせが年くったキンゾーで叶せンせが年くった太一みたいな顔で描かれていますがこれあンまり似てないンじゃあないかなあ…!??
# by tsun153 | 2011-12-13 08:44 | マンガ | Trackback | Comments(2)

リアル・スティールがあんまりリアルじゃなかったとぐだぐだ語り

 「リアル・スティール」観てきました。予告の時点で
「『落ちぶれた元ボクサーと父親を信じたいけど信じきれない子供とロボット格闘技』ってどんな日本人オタク向けだよ…」
と今冬「タンタン」・「宇宙人ポール」と並んで期待させられた映画。宮迫や和田アキ子に「めっちゃ泣きました!」と言わせているCMでは多少その気分がそがれたものの、観に行って最初の30分程はニヤニヤしっぱなしのニヤニヤ映画でありました。

(※ここからだいぶネタバレあり※)

 が、ロボット「ATOM」が登場した物語中盤からクライマックスまでは、どうもひっかかりが。観終わった後ひっかかった原因を考えてみた結果
「父親チャーリー役のヒュー・ジャックマンが負け犬に見えなかった」
が、感情移入を阻害した最大の原因。半生をかけて会得した技術が時代の変化で不要の物になりその日暮らしに落ちぶれている中年のはずが、どうも記憶喪失の狼爪ヒーローから抜け切れていない感じ。劇中で惜しみも無くさらけ出す半裸タンクトップやベッドシーン、雨で濡れるシーンがセクシー過ぎて、(多少ネタバレになりますが)借金を踏み倒したら中盤で追い詰められてボコボコにされる、息子を売った金を一晩でパーにしてしまうと言ったダメダメな印象がどうしてもはまらず。監督がオマージュを捧げたと言う「ロッキー」の、ミッキーにどやされてもイマイチ立ち直れないスタローンや変な話ですが「あしたのジョー」で自暴自棄になって暴力おでん屋に絡んだらボコボコにされた矢吹丈と比べるとどうもダメダメに見えなかったヒュー・ジャックマンのチャーリー。

やっぱり、駄目な奴を徹底的に駄目に描いてほしかったんです!そうでなきゃ駄目なんですよ!!
ので、息子や現恋人に呆れられながらも期待されていたり終盤で息子と息子からの信頼を取り戻すために動き出すシーンが入ってこなかった!上で「日本人オタク向けか!」と書きましたがどうもこの映画に過分に日本ラブが入っているのは一度観れば疑う余地が無く、そうであるならウジウジ、ヘナヘナとした「ダメ」なメンタリティももっと盛り込んで欲しかったです。

 観る前は全く予想していなかったのですが、この映画は息子マックス役のダコタ・ゴヨがすごい。とにかく素晴らしかったです。役としても、父親以上のバイタリティと才能にあふれ、物語の中で時折…と言うかかなりの割合で父親チャーリーの行動をひっぱっていくキャラクターも、ただ守られる存在であるとか足手まといになりがちな子供キャラよりだいぶ好み。上のヒュー・ジャックマンの違和感があった中盤も、彼の天才のおかげでもちます見られます。

 ロボットボクシングについてももやもやが。父子のドラマがまずあるためにあえて仔細な解説を省いたかと思うのですが
「どのロボットがどう強いのか?」
が分かりにくく映画の第三の主人公とも言える「ATOM」、チャーリーとマックス父子の絆ともなるロボットが、弱いロボットだ強い奴と戦うには不利だと言われながらチャーリーとマックスの努力で強豪ロボット達と戦っていく流れが明確になってこないのも中盤のフラストレーションの一因。人間同士のボクシングであれば、まず体格差で強弱がある程度印象付けられ、言ってしまえば人種でも有利・不利が分かろうと言う物ですが、ロボット同士だと何故パンチが強いのか?打たれ強いロボットが何故打たれ強いのか?が視覚的に分かりづらいし劇中で台詞の説明も無いのです。勃興したばかりのジャンルであると言う点を考慮しても、ロボットボクシングには見世物として未成熟すぎると思えてなりませんでした。架空の競技やゲームを見せると言うのは、ハリー・ポッターの金玉取り合いやジャッキーの「ドラゴンロード」の羽球のような成功例にするには、多方向での入念な注意と幸運が必要なんだなあと。映画の冒頭でチャーリーがトラックを転がしているシーンを映すよりはロボットボクシングのルールを説明するシーンをやっぱり入れておけば良かったのではないかなあ。
現実のボクシングが終わったコンテンツになり、全米でテレビ中継されるようになったロボットボクシングの、その王者決定戦に出自がさだかでないATOMが出場できてしまう流れが、どうしても説得力に欠ける印象。2020年と言う時代設定もどうにも謎で、果たして後8・9年でこうなるのかな?と言う微妙すぎる近未来。一応背景美術ではその微妙な近未来感が注意して演出されているのですが。(スマホの進化形のようなツールや看板にXBOX720の文字が…後どうでもいいけどロボット操縦で使われるリモコンにヒューレット・パッカードのロゴが目立って苦笑い)一応パンフレットに2000年代から劇中につながる設定が年刻みの年表で載っており少し溜飲はさがります。
CGだけでなく実際に2.5m弱のプロップが作られ、マックスが移行対象として心を寄せ、時にその問いかけに答えるかのような、自我がなさそうで実はありそうなATOMの絶妙な描写はとても良く、「少年とロボット」だけで一本映画に出来そうな(日本では非常に既視感のあるネタではありますが)良いキャラクターだったと思うのですが、ロボットボクシングと言う競技がどうも上手くかみあってこなかった!ATOMの出自、マックスと出会うゴミ捨て場に捨てられるまでが気になってしかたなく、パンフレットにあった説明は見てももやもやは残留。

やっぱ冒頭で「アメリカがリングだ!」とか「頭部を破壊されたものは失格となる!」とか「正々堂々と試合開始!」とか「敵はスーパーヘビーウェイト!光ファイバー!コミュニケーション!回路全開!」って説明しなくっちゃいけなかったかも!?

 …どうも長くなってしまいましたが逆にこれは「日本人で少しでもロボットアニメや漫画、ロボットが出てくる作品が好きな奴」の遺伝子をくすぐる映画だったと言う証左です。「トランスフォーマー」で鉄の巨人同士のダイナミックなぶつかりあいを堪能した後はこの映画でメンタルな物も押さえたロボット成分を補給できたのですから、幸せです。
予告編にも使われている映像、ラストシーンでリングサイドでATOMと共に舞うチャーリーは、ボクサーとしてのかつての輝きを取り戻した姿がヒュー・ジャックマンの美しさに最高にマッチしていて文句なく息子とヒロインの気持ちになれます。ここだけで中盤のお釣りが来ますので、是非、映画館で観てください。


 ついでに「仮面ライダーフォーゼ×オーズMOVIE大戦MEGAMAX」も観てきまして、ハンディカメラとティルトショットを多用したアクションてんこ盛りと、「牙狼」を見ているのかと思うぐらい多い役者の生身アクションは十二分に客の需要に応えていたのではないでしょうか。話の方も綱渡り気味ながらバランスは取れていたかと。フォーゼ編の仮面ライダーなでしこ、「空から落ちてきた不思議ちゃんヒロイン」と言うのはいささか鼻をつまみますが変身前も後もオヤジ心をくすぐるかわいさがあったのでいいですブヒー。少ない描写ながらオーズ編の影の主人公として活躍した仮面ライダーアクアも予想外にいい感じでした。スーツアクター(アクトレス?)ながらおきて破りの顔出し出演をした人見早苗さんや白戸家息子でおなじみの黒人俳優ダンテ・カーヴァーが怪人として予想GUYにいい動きをしていたのも特筆もの。
ただCGがキツかった。順番として「リアル・スティール」の金がかかったCGを先に観てしまったテンションを差し引いても最後の〆で使われるシーンのCGは、アニメ的なコンテでスピード感と迫力をグイグイ出そうとしている割には、PS2レベルのクオリティに見えてしまい映画館のスクリーンではキツい!ライダーのスタッフはそろそろ本格的にCGのクオリティを見直すべき時期なのでは…もしかしたらローカルヒーローにお客を取られてしまうかもわからんねと「琉神マブヤー」の予告編を観て勝手に危惧。
7人ライダーの必殺技に思いきりCGエフェクトを使ったのはチャレンジだったと思うのですがあの出来ならあまりやって欲しくは無かったと言う気分。「レッツゴー」までの集合映画で、あえて70年代風に撮っていたあのままでよかったのになあ。V3の反転ダブルキックも「NEXT」の方がよかったなあ。集合物もいいんだけどそろそろまた一年一作ぐらいのペースでじっくり作ってほしいなあ。まあそう言いながら今度の「スーパー戦隊VS仮面ライダー」も観に行っちゃうんだろうけど。その「スーパー戦隊VS仮面ライダー」、ディケイドさんがメインとして復活か!と思ったら予告編映像でNEW電王やらフォーゼの後ろに目立たず並んでてあれっ?と不安に。「レッツゴー」以来世界の破壊者さんももうオワコン扱いなんやな・・・
# by tsun153 | 2011-12-11 06:35 | 映画 | Trackback | Comments(0)
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